花粉症と食べ物・食事の関係
「ヨーグルトを食べれば花粉症が治る?」「花粉症に効く食べ物はある?」と気になる方も多いでしょう。
食事は健康を維持するうえで大切ですが、特定の食品を食べるだけで花粉症が治るとはいえません。
ヨーグルト・乳酸菌・お茶など、花粉症との関連が研究されている食品や成分はありますが、現時点では効果が十分に確立していないものもあります。
「花粉症に効く食品」を一つ探すより、偏りの少ない食生活を基本にし、花粉を避ける対策や必要な治療と組み合わせることが大切です。
食べ物だけで花粉症は治る?
食事だけで花粉症を治療することはおすすめできません。
花粉症は、原因となる花粉に対して免疫反応が起こることで、くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみなどが現れるアレルギー疾患です。
通常の対策では、花粉への曝露を減らすセルフケアや、症状に応じた薬物療法などが行われます。
健康食品や乳酸菌、お茶などについて症状緩和を調べた研究はありますが、厚生労働省も有用性の確認にはさらに検討が必要としています。
花粉症の時期に意識したい食事の基本
花粉症だからといって特別な食事にする必要はありません。基本は、主食・主菜・副菜を組み合わせたバランスのよい食事です。
野菜・海藻・豆類などを偏りなく
野菜、海藻、豆類、きのこ類などは、食物繊維やさまざまな栄養素を含みます。
「この野菜を食べれば花粉症が改善する」という考え方ではなく、日常の食事の中でさまざまな食品を組み合わせましょう。
魚・肉・卵・大豆製品などからたんぱく質をとる
特定の食品に偏らず、魚・肉・卵・大豆製品などを組み合わせて食べることが基本です。
極端な食事制限をしない
インターネット上には「この食品は花粉症を悪化させる」といった情報もありますが、医学的な理由なく特定の食品群を一律に避ける必要はありません。
ヨーグルト・発酵食品は花粉症にいい?
ヨーグルトや乳酸菌とアレルギーとの関係については、さまざまな研究が行われています。
一方で、乳酸菌には多くの種類があり、製品や研究条件も異なります。そのため、「毎日ヨーグルトを食べれば花粉症が改善する」と一律にはいえません。
ヨーグルト、納豆、味噌などの発酵食品は、通常の食品としてバランスのよい食生活の中に取り入れるとよいでしょう。
乳酸菌と花粉症について見る青魚・食物繊維・野菜は?
青魚
サバ、イワシ、サンマなどにはEPA・DHAなどの脂肪酸が含まれています。これらと炎症やアレルギーとの関係について研究がありますが、青魚を食べるだけで花粉症症状が改善すると断定することはできません。
食物繊維
食物繊維は腸内細菌との関係が研究されています。野菜、豆類、海藻、きのこ、穀類などから日常的に摂取しましょう。
野菜・果物
野菜や果物にはビタミン・ミネラルなどさまざまな栄養素が含まれます。ただし、花粉症の人では特定の果物や野菜を食べたときにアレルギー症状が出る場合があるため、後述する花粉-食物アレルギー症候群にも注意してください。
じゃばらは花粉症にいい?
じゃばらは柑橘類の一種で、ナリルチンなどの成分を含むことから花粉症との関連が研究されています。
ただし、研究結果があることと「じゃばらを食べれば花粉症が治る」ということは別です。
食品や飲料として取り入れる場合は、一般的な食品の一つとして考え、花粉症治療の代わりにはしないようにしましょう。
じゃばらと花粉症について見る緑茶・甜茶などのお茶は?
緑茶に含まれるカテキンなど、お茶の成分とアレルギー反応について研究されています。
また、甜茶なども花粉症対策として知られていますが、すべての人に明確な効果が確認されているわけではありません。
お茶は通常の飲み物として楽しみ、医薬品の代わりとして考えないことが大切です。
花粉症のとき避けた方がいい食べ物は?
花粉症の人全員が一律に避けるべき食品があるわけではありません。
ただし、自分が食べたり飲んだりしたあとに鼻症状・皮膚症状などが明らかに強くなる場合は、その食品との関係を確認する価値があります。
アルコール
飲酒によって鼻づまりなどを感じやすくなる人がいます。厚生労働省の花粉症セルフケアでも、飲みすぎは悪化因子として控えることが挙げられています。
花粉症の時期に飲酒後の症状が気になる場合は、量を減らすなど調整してみましょう。
辛い食品
辛い料理を食べると、一時的に鼻水が増える人がいます。これは必ずしも花粉症そのものが悪化しているという意味ではありません。
食べたあとに鼻症状がつらくなる場合は、無理に食べる必要はありません。
加工食品・脂質の多い食品
「加工食品を食べると花粉症が悪化する」と一律に断定できるわけではありません。特定の食品を完全に排除するより、食事全体のバランスを考えましょう。
花粉症の人は「花粉-食物アレルギー症候群」に注意
花粉症の人の中には、特定の果物や野菜を食べた直後に、口・唇・舌・のどなどにかゆみや違和感が出ることがあります。
これは、花粉と食品に含まれるアレルゲンの構造が似ていることで起こる「花粉-食物アレルギー症候群(PFAS)」の可能性があります。
アレルギーポータルでは、花粉症に関連した果物や野菜などを食べた際に、口腔内の腫れ・違和感・のどの症状などが起こることが説明されています。
こんな症状が出たら注意
- 果物を食べると口の中がかゆい
- 唇がピリピリする
- 舌や口の中が腫れぼったい
- のどがイガイガする
- 特定の生の果物・野菜だけ症状が出る
原因となる食品は、反応する花粉によって異なります。
食後に息苦しさ、全身のじんましん、強い腫れ、意識の異常などが出た場合は、重いアレルギー反応の可能性があります。速やかに医療機関を受診してください。
花粉と果物・野菜の交差反応
PFASでは、原因となる花粉と似たアレルゲンを持つ食品で症状が出ることがあります。
| 花粉 | 関連が知られている食品の例 |
|---|---|
| シラカバ・ハンノキなど | リンゴ、モモなどの果物 |
| イネ科 | 一部の果物・野菜 |
| ブタクサ | メロン、スイカなど |
| ヨモギ | 一部の野菜・香辛料など |
実際の交差反応には個人差があり、「この花粉症なら必ずこの食品で症状が出る」というものではありません。
食べた直後に毎回症状が出る食品がある場合は、アレルギー科などで相談してください。
花粉症サプリとの付き合い方
花粉症対策として、乳酸菌、じゃばら、甜茶、ビタミン類などを含む健康食品・サプリメントが販売されています。
しかし、健康食品は医薬品ではなく、製品によって成分・量・研究状況が異なります。
「食事だけでは足りないからサプリを飲めば花粉症が改善する」「薬と組み合わせれば相乗効果がある」と一律に考えることはできません。
薬を服用している方、妊娠・授乳中の方、持病がある方などは、サプリを使用する前に医師や薬剤師へ相談すると安心です。
花粉症サプリランキングを見る「花粉そのものを食べる健康食品」には注意
花粉症を治す目的で、原因となる花粉そのものを含む食品を摂取するのは避けてください。
厚生労働省は、スギ花粉を含む食品について、スギ花粉症の人が摂取すると症状悪化や重篤なアレルギー症状を起こす可能性があるとして注意喚起しています。
「食べて慣らせば花粉症が治る」という自己流の方法は危険です。アレルゲン免疫療法は医療機関で適切に管理して行う治療であり、花粉を含む食品を自己判断で食べる方法とは異なります。
花粉症と食べ物|よくある質問
Q. 食べ物だけで花粉症は治りますか?
特定の食品を食べるだけで花粉症が治るとはいえません。食事は健康維持の基本ですが、花粉症の治療や対策は、花粉を避けるセルフケアや症状に合った薬などとあわせて考えることが大切です。
Q. 花粉症にはヨーグルトがいいですか?
ヨーグルトや乳酸菌について花粉症との関連を調べた研究はありますが、すべての人に明確な効果があるとはいえません。ヨーグルトは食品の一つとして、普段のバランスのよい食事の中で取り入れるのが基本です。
Q. じゃばらは花粉症に効きますか?
じゃばらに含まれる成分と花粉症症状との関連を調べた研究がありますが、じゃばらを食べれば花粉症が治ると断定できるものではありません。食品として取り入れる場合も、治療の代わりにはせず適量を心がけてください。
Q. 緑茶は花粉症にいいですか?
茶に含まれる成分とアレルギー反応について研究されていますが、一般的な緑茶を飲むだけで花粉症症状が改善すると断定することはできません。普段の飲み物の一つとして楽しむ程度に考えましょう。
Q. 花粉症のときに避けるべき食べ物はありますか?
花粉症の人全員が一律に避けるべき食品があるわけではありません。ただし、飲酒後に鼻症状が強くなる人はアルコールを控えるなど、自分の症状との関係を確認するとよいでしょう。特定の果物や野菜で口やのどがかゆくなる場合は花粉-食物アレルギー症候群にも注意が必要です。
Q. 花粉症の人が果物を食べると口がかゆくなることがありますか?
あります。花粉と似た構造のアレルゲンを含む果物や野菜を食べたときに、口やのどのかゆみ・違和感などが出る花粉-食物アレルギー症候群があります。症状が出た食品は無理に食べず、医療機関へ相談してください。
Q. 花粉症サプリは食事と一緒に使ってもいいですか?
健康食品やサプリメントにはさまざまな製品がありますが、花粉症への有用性が十分に確認されていないものもあります。薬を使用している場合や持病がある場合は、成分を確認し医師や薬剤師へ相談してください。
Q. 花粉症の食事で一番大切なことは何ですか?
特定の食品に偏るのではなく、主食・主菜・副菜を組み合わせたバランスのよい食事を基本にすることです。食事だけで花粉症を治そうとせず、花粉対策や必要な治療と組み合わせて考えましょう。
まとめ
花粉症と食べ物については、ヨーグルト・乳酸菌、青魚、じゃばら、お茶などさまざまな食品や成分が研究されていますが、特定の食品を食べれば花粉症が治るというものではありません。
毎日の食事では、特定の食品に偏らず、主食・主菜・副菜を組み合わせたバランスのよい食生活を基本にしましょう。
また、花粉症の人では果物や野菜で口・のどのかゆみが起こる花粉-食物アレルギー症候群がみられることがあります。食べた直後に症状が出る食品がある場合は、無理に食べず医療機関へ相談してください。
食事は花粉症対策の一部として考え、花粉を避けるセルフケアや必要な治療と組み合わせることが大切です。